住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「外壁 無塗装サイディング+吹付塗装」についてです。
無塗装の窯業系サイディングに吹付塗装した場合の利点についてお話します。
下地が窯業系サイディングですので、防火対策には非常に良いと思います。
また、デザインに関しても、自分で、色や塗装の素材を選択できますので、デザイン性重視の建物には適していると思います。
ただし、やはりどうしてもこまめなメンテナンスが必要になるということは覚えておいてください。
あと、コーキングが傷みにくいということがあります。
下地の窯業系サイディングを貼ってからコーキングをして、更にその上に塗装するわけですから、コーキングに塗装で膜を張るということになります。
そうするとコーキングが傷みにくくなって、その分長持ちするという利点はあります。
では、欠点についてお話します。
塗装の劣化が早いということがあります。
塗装品の窯業系サイディングは、工場で塗装しているので、それなりに持つんですけれども、現場塗装というのはどうしても1年以上経つと色が褪めてきたり、塗装が剥がれてきたりという現象が起きてしまいます。
ですので、無塗装の窯業系サイディングに吹付塗装ということに関しては、これらも考慮して考えていって欲しいと思います。
また、工期が長くなるというのも欠点ですね。
下地に窯業系サイディングを貼ったあとに、更に塗装するわけですから、塗装する分の工期が長くなります。
外壁の塗装工事は天候にも左右されますので、時期によっては工期が延びる恐れがありますので、気を付けて頂きたいと思います。
あと、下地が窯業系サイディングですので、内部結露に弱いというところがあります。
断熱性能がそれほど高くない場合、家の中をどんどん暖かくすると、壁の中の内側と外側に温度差が起きます。
そうすると壁の中で結露が起きてしまい、湿気が溜まります。
窯業系サイディングは裏側から湿気を吸いますので、劣化したり、ひどい場合は柱などの木が腐ってしまうということがあります。
これらが、欠点になると思います。
コストの面でお話をさせてもらうと、一般的に塗装品の窯業系サイディングを約40坪の家に貼った場合、200万円くらいかかります。
無塗装の窯業系サイディングに吹付塗装ですと、塗装費が追加されますので、250万円くらいになります。
外壁メーカーのホームページを見ると、素材の値段は出ているんですが、現実的には、外壁の貼り手間、コーキングの手間、コーナーで使用する出隅などの役物、最後の塗装工事などを全部足すとこれくらいの金額になっていくと思います。
やはり塗装品のサイディングよりは高くなりますが、デザイン重視、特に店舗などでは、無塗装の窯業系サイディングに吹付塗装ということも良いと思います。
こだわりも大事ですから。
でも、欠点はちゃんと覚えていて欲しいと思います。
今回のお題は、「外壁 窯業系サイディングに吹付塗装」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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