住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「木の種類 無垢材」についてです。
無垢材は、どんな乾燥のやり方をしているかで、家の経年強度が変わってきます。
つまり、しっかりと乾燥されている木材を使った家かどうかがポイントになります。
伐採した木をそのままの状態で製材しただけのものを生木、業界用語ではグリーン材といいます。未乾燥の状態ですね。
生木には、本来木の重量と同じかそれ以上の水分が入っています。
この状態の木材で家を建てると、後で木が縮んできます。
そうすると、床鳴りがしたり、隙間ができる原因になります。
ですので、この生木を使って家を建てるのは絶対にダメです。
しっかりと乾燥した木材で建てていただきたいと思います。
木材には縮み係数というものがあり、0.35といわれています。
例えば、30㎝の大きい梁の場合ですと、生木の乾燥が進むと、約1㎝くらい縮みます。
1㎝床が下がるとすると、当然床鳴りが起きたり、2階の床が歪んでくるということになります。
これは瑕疵の状態になりますので、生木の木材は使ってはいけません。
では、木材はどうやって乾燥するかというと、ひとつは天然乾燥でAD材とよばれています。
もうひとつは機械乾燥でKD材とよばれています。
天然乾燥は、風通しの良いところで1年以上天日干しをして自然に乾燥させます。
ただし、乾燥に向いている地域じゃないと難しくて、湿度が高い北陸や東北地方には向いていません。
西日本では結構乾きますので、天然乾燥をする材木屋さんが結構いますが、雪が降るような地域では難しいと思います。
あと、納期が1年以上かかりますので、大量生産には向いていないということになります。
昔の大工さんは、この天然乾燥した木材を使って墨出しして刻んでいました。
今は品質確保促進法という法律があって、クレームや瑕疵に値する場合がありますので、建物を建てる前に木をしっかりと乾燥させたKD材が多く出回っているようです。
機械乾燥は、乾燥釜で木を強制的に乾燥させます。
工期の短い住宅ですとか、大量生産の住宅の場合、やはりこのKD材を使わざるを得ないことになります。
KD材の欠点としましては、表面が割れやすいというところがあります。
また、見た目がどうしても質が落ちて見えるというところがあります。
そのために、大壁といわれる柱を見せないような工法が、今非常に増えているわけです。
木には固くするためのリグニンという成分がありますが、機械乾燥をするときに、リグニンが水分と一緒に排出されてしまいます。
そうすると、200年かけて上がって、1000年かけて下がり、1200年かけて新しい木材と同じになる木材の経年強度のピークが天然乾燥のAD材ほど上がらないというのが欠点になります。
今回のお題は、「木の種類 無垢材」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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