住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「木の種類 集成材 水性高分子イソシアネート系接着剤」についてです。
結論から言いますと、この高分子イソシアネート系接着剤の集成材は、家具などの強度が掛からないものにはいいんですが、柱や梁などの構造躯体には不向きだと思います。
この高分子イソシアネート系接着剤、別名白糊といわれますが、水性なのでレゾルシノール系接着剤と違って、ホルムアルデヒドを放散させません。
その分、健康的な材料なんですが、欠点としては水や湿気に弱いというところがあります。
糊が剥がれて集成材が剥離してしまうという事件が2回ほどありました。
2002年にドイツからきた集成材、2005年に中国からきた集成材、どちらも日本のJAS認定工場でつくられたものなんですが、実際に日本で建物を建てた後に剥離が見つかって、その対処に工務店がまわったという事件がありました。
水性なので、湿気があったりするとどうしても剥離が起きてしまいます。
集成材は、基本的に糊の強度で材料の強度が決まります。
ですので、糊が剥離してしまうと意味がありません。
無垢材のスギ、ヒノキ、米マツと、水性イソシアネート系接着剤のホワイトウッドの集成材を、3年間屋外に放置した実験があります。
3年後には、このホワイトウッドの集成材だけ腐ってしまって跡形もない状態になりました。
なぜかというと、木と木を貼っていた水性高分子イソシアネート系接着剤がどんどん溶けていって、その隙間に水分が入って、木が早く腐ってしまうということです。
これは住宅にも言えることで、建物の外側の壁のところで水性高分子イソシアネート系接着剤の集成材を使って、あまり性能の良くない断熱材を使用した場合、内部結露(壁内結露)が起きて、壁の中に湿気がたまります。
そうすると、この水分で接着能力が落ちて、剥離や木の腐食が起きて、建物の強度に、問題が起きてきます。
この水性高分子イソシアネート系接着剤の集成材を建物に使用する場合は、力のかかる場所には使用しないように気を付けて頂きたいと思います。
今回のお題は、「木の種類 集成材 水性高分子イソシアネート系接着剤」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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