住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「品確法(住宅品質確保促進法)」についてです。
この品確法によって、施主は法律に守られているわけです。
2004年にこの品確法ができました。
どういう法律かというと、工務店や住宅メーカーなどの住宅供給者が新築工事をした場合、10年間の瑕疵保証を強制的に義務付けるというものです。
つまり、建ててから10年以内にその建物で問題が起きたら、工務店や住宅メーカーはしっかりと治さなくてはならないということです。
欠陥や意図的ではないものも含まれます。
なぜこの法律ができたかというと、秋住事件というものががあったからです。
秋田県木造住宅株式会社という会社がありました。
この会社は、秋田県、秋田銀行、北都銀行が立ち上げた第三セクターで、当時の秋田県副知事が社長でした。
この秋住がどんなことをしたかというと、秋田杉というブランドを全国に広めるために、千葉県で秋田杉を使った建売系の戸建住宅をどんどん建てました。
しかし、建てて5年前後でいろいろなクレームが出てきました。
地盤沈下や雨漏りなどの欠陥が発生しました。
住んでる人は困って、秋住に治してほしいと訴えたわけです。
しかし、クレームが発生している最中に、秋住は経営不振を理由に倒産してしまいました。
そうなると、住人はこの問題をどこに訴えていいのか、誰が治してくれるのかということで、実際には秋田県と銀行に対して訴えを起こしたわけです。
しかし、実際には既に会社が倒産しているわけですから、責任の所在がはっきりしませんので、結局は、すべてきちんと治してもらうことができませんでした。
最終的には和解になりましたが、一人あたり3000万円の保証を訴えていましたが、せいぜい1000万円くらいしか保証されませんでした。
1000万円では家は建て直せません。
特に地盤沈下で傾いた家などは、1000万円では到底治せません。
このことを国が重く見て、住宅瑕疵保証研究会というものを立ち上げました。
これが母体となって品確法(住宅品質確保促進法)ができました。
品確法は新築に関しての話なので、新築はこの法律に守られていますが、リフォームに関しての瑕疵保険は任意です。
ですので、きちんと工務店さんに話をしないと瑕疵保険を掛けてもらえないなんてこともあります。
せっかくリフォームした後に問題が起きるなんてことが一番困るわけですから。
新築でもリフォームでも、この品確法をきちんと理解している業者をしっかりと選んで、工事をして頂きたいと思います。
今回のお題は、「品確法(住宅品質確保促進法)」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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