住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「断熱材 グラスウール」についてです。
結論から言いますと、私はグラスウールの断熱材は床や壁には不向きな断熱材だと思います。
ただ、建てられている住宅の約8割に、この繊維系のグラスウール断熱材が使われています。
利点としては、安いということです。
また、ガラス繊維ですので防火性能に優れているということも重要な利点になります。
今、住宅に関する国の基準は、しっかりとした防火性能をもった建物にするということがありますから、やはりグラスウール断熱材がよく使われているのだと思います。
音に関しても、吸音性に優れているということがあります。
欠点としましては、湿気に弱くて水分を含むと重くなってズレ落ちるということがあります。
建てたときはいいんですが、築年数を経て壁の中で結露が起きてしまうと、湿気を含んでズレ落ちるということになります。
また、空気が対流する空間があると断熱性能が悪くなるということがあります。
床と天井に隙間があって、風が床から天井に流れてしまうと、グラスウール断熱材を入れる意味がないということになりますので、施工が非常に重要になります。
水分を含んだグラスウール断熱材は、木材や壁の中を腐らせてカビを発生させ、住宅の寿命を縮める原因になったりします。
グラスウール断熱材自体がダメなのではなくて、施工が非常に大事ということです。
ただし、この施工がとても難しいというところがあります。
一般的にグラスウール断熱材は、グラスウールを入れた後にポリフィルムを表面に貼って気密をとるというのが通常の施工方法です。
しかし、現場の手間がかからないようにするためか、袋入りのグラスウール断熱材を使う場合が多いと思います。
袋入りのグラスウール断熱材は、更に施工が難しいのです。
施工性が難しいことを理解していても、職人の手間をはぶくために、見て見ぬふりをしている現場監督が多いことも、現実にはあります。
住宅メーカーさんは良くグラスウール断熱材を使ったやり方をします。
住宅メーカーさんの利点は品質を守るというところですから、工場でしっかりと管理ができているのだと思います。
だた、それも家をつくるまでの話で、築年数を経て、壁内結露が起きてしまうと、後々メンテナンスが大変な断熱材になるかなと思います。
それであれば、品質や性能を考えて、グラスウールではない断熱材も選択肢として考えておくべきではないでしょうか。
今回のお題は、「断熱材 グラスウール」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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