グラスウールの耐久性について

2019/10/2411:432390人が見ました

住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。

 

テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。

 

今回のお題は、「断熱材 グラスウールの耐久性」についてです。

 

結論から言いますと、グラスウールの断熱材は、住み始めてから問題が起こることがあります。

 

最初は断熱効果があるんですけれども、一年二年経つと、なんか家が寒くなったなどという症状をよく聞きます。

 

壁の中の断熱材が痩せてしまって、断熱性能が落ちているからです。

 

これはなぜかというと、施工のやり方が悪かったということが結構あります。

 

例えば、表(a)のように間柱の間約38㎝の間に、断熱材も同じ38㎝幅のものをしっかりと入れれば、当然厚さ100㎜の断熱効果があるわけです。

 

でも、片側が柱だったりして、表(b)のように32㎝くらいのスペースに、38㎝幅のものを入れてしまうと、断熱材がよれてしまうわけです。

 

グラスウールというのは、中に入っている空気によって断熱効果が出ますので、それが押しつぶされてしまうと、100㎜厚の効果がなくなります。

 

更に、表(c)のようにもっと幅の狭い30㎝以下のところにぎゅうぎゅうに押し込んでしまうと、半分以下の性能にしかならないというデータがあります。

 

ですので、グラスウールの断熱材は施工が非常に重要なポイントになってきます。

 

ただ入れればいいというわけではなくて、しっかりと固定をして、平らに入れるということが大事です。

 

また、表(d)のように、グラスウールの断熱材の幅が足りなくて、隙間があるという場合も当然断熱効果は落ちて、67㎜厚の性能しかないということになります。

 

ここで注目して頂きたいのは、ぎゅうぎゅうに詰めて施工した場合と、幅が足りなくて隙間があるような施工をした場合を比べてみると、ぎゅうぎゅうに詰めた方が性能が悪いということが分かります。

 

ですので、グラスウールの断熱材は施工のやりかたをしっかりと分かっている会社に依頼して頂きたいと思います。

 

また、写真のように筋交いがあるところに、袋に入ったグラスウールの断熱材を入れる際に、筋交いの裏側に入れてしまうケースがあるんですが、これは間違いです。

 

基本的には、筋交いを防湿シートで覆って、隙間を塞いでからグラスウールの断熱材を施工しないと意味がありません。

 

そうしないと筋交いのところで隙間ができるわけですから、壁の中で風が動くということになるので、断熱性能が著しく下がります。

 

なかなか、正しく施工しているところは見受けられず、間違った施工をしているところが多いのが現状です。

 

つまり、材料は確かに安いし利点もありますが、その分施工ムラがあって、後々住んでからだんだん寒い家になるということがあります。

 

ひどい場合は、内部結露を起こしてしまって、柱などの木が腐ってしまって、家が長持ちしないということになりますので、気を付けて頂きたいと思います。

 

グラスウールの断熱材を使って正しい施工ができないのであれば、最初から硬質ウレタンフォームなどの材料に変えて吹き付けたほうが施工ムラはありません。

 

断熱材を何にするかというのは、コストの面も考えなくてはなりませんが、何よりも継続した断熱性能がとれるかどうかがポイントになりますので、しっかりと考えて頂きたいと思います。

 

今回のお題は、「断熱材 グラスウールの耐久性」についてでした。

 

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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。

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