住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「断熱材 吹付ウレタンフォーム」についてです。
現場吹付ウレタンフォームには2種類あって、原材料のポリウレタンを100倍発泡した軟式ウレタンフォームと、30倍発泡した硬質ウレタンフォームがあります。
おすすめするのは硬質ウレタンフォームです。
なぜかというと、断熱性能、気密性能、透湿性、木材への接着強度が全然ちがうからです。
軟質ウレタンフォームと硬質ウレタンフォームは、同じように見えて全く別なものであると考えていただければと思います。
100倍発泡の軟質ウレタンフォームの問題点について説明します。
実際のところ、軟質ウレタンフォームの方が値段は安いです。
ただし、地震で家が揺れたり、木材の収縮が起きた場合、接着強度が非常に重要になるんですが、軟質ウレタンフォームは接着能力が弱くて、隙間が出来やすかったりして、隙間風や結露の原因になったりするわけです。
柱と断熱材の間に隙間ができれば、そこから風が入ってしまうわけですから、カビの発生や木材が腐る原因になる可能性があります。
壁の中というのは、家を建てたあとで治すということがありません。
ですので、最初の段階でいいものを使わないと、どんなに表面をきれいにしても、あとあと問題がおこることになります。
そうならないためにも、最初の段階でこの断熱材は、徹底して性能のいいものを使っていただければと思います。
また、軟質ウレタンフォームですが、現場吹付をする際に、透湿防水シートに直接当たるように吹付ている業者さんが見られます。
軟質ウレタンフォームは性能値があまり良くないので、厚さ10㎝以上は必要になります。
それが透湿防水シートに当たって、外壁との通気層のところまで膨れ上がってしまって、外壁との間の通気層に風が流れなくなってしまいます。
そうするとどうなるかというと、壁の中で結露が発生する原因になります。
軟質ウレタンフォームを使用する場合は、施工のチェックがひつようになるかと思います。
現実に、このような状態になり、クレームが発生するという問題が起きたようです。
日本透湿防水シート協会から発表されている資料がありますので、報告させて頂きました。
今回のお題は、「断熱材 吹付ウレタンフォーム」についてでした。
YouTubeで動画をアップしていますので、興味がありましたらチャンネル登録をお願いします。
以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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