住まいづくりの達人、一般社団法人住教育推進機構理事長の大沼です。
テーマは、「安い新築より高いリフォームがなぜ良いか?」ということです。
今回のお題は、「インナーサッシ」についてです。
インナーサッシとはなにかというと、元々あるサッシの内側に付ける樹脂サッシのことです。
結論から言いますと、間取りの変更や外壁を剥がすくらいの工事であれば、インナーサッシではなくて、新築で使うような樹脂サッシを使って頂きたいと思います。
一般的なアルミフレームで単板ガラスのサッシがあります。
新潟や群馬などの、省エネ基準地域区分5地域の場合、アルミ単板サッシの家が、1年間に窓から逃がす熱の量は120,921円分になります。
これが4地域ですと、10~15%多く熱が逃げますし、3地域になると20%以上多くの熱が逃げることになります。
冬暖かくしたいということでインナーサッシを付ける場合、よくあるのが単板ガラスのインナーサッシを付ける方がいます。
正直、それだとあまり暖かくなりません。
なぜかというと、元々あるアルミ単板サッシを、まともなサッシとして考えてはいけないからです。
図を見てもらうとわかるように、U値といって、熱の抵抗を表す熱還流率の数字ですが、アルミ単板サッシですと6.51W/(㎡・K)であるのに対して、今のLow-E複層ガラスの樹脂サッシは1.48W/(㎡・K)で、全く数字が違います。
つまり、このアルミ単板サッシは、断熱性能的には窓に空いた穴と考えなくてはなりません。
そこにインナーサッシを付けるわけですから、せめてLow-Eペアガラスのインナーサッシを付けることで、Low-Eペアガラスの樹脂サッシに近づけることができますが、それでも性能は劣ります。
でも、そこまですれば、年間の光熱費を40,000円くらい抑えることができるわけですから、インナーサッシを付けるメリットがあると思います。
ただし、このLow-Eペアガラスのインナーサッシは、けっこう値段が高くて、新品の樹脂サッシと値段がさほど変わりません。
間取りを変更したり、外壁を剥がすような工事ではなく、ただ単にサッシだけを取り替えたいという場合は、インナーサッシもいいと思いますが、窓を治すタイミングでリフォームもするという場合は、新しい樹脂サッシに取り替えることをおすすめします。
なぜかというと、値段がさほど変わらないのに性能がいいからです。
簡単に付けられるという意味では、インナーサッシもメリットがあると思いますが、大掛かりにリフォームをする場合は、インナーサッシよりも性能がいい樹脂サッシを選ぶといいと思います。
今回のお題は、「インナーサッシ」についてでした。
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以上、住まいづくりの達人、大沼でした。
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