断熱と気密に偏重した現代省エネ建築に対する問題意識について。
①「ここ数十年の省エネ建築は、技術で解決しようとして過剰設備になっている。昔の建築の知恵を見直したほうがいい」とオープンに話し、反省もし、新しい物件では、自然素材の蓄熱調湿性能を生かしてローテクのソリューションを提案実践している建築家やエンジニアもいます。
②メインストリームに流されず、最初から自然素材で健康で省エネのソリューションを提供し続けている明確な哲学をもった建築業者もいます(彼らのところには、営業しなくてもお、客さんがやってきます)。
③「今の木造建築は、テープやシートを貼りまくって、接着剤を使って、将来のゴミを生産しているよ(黒い森の知り合いの大工談)」などと問題意識を持ちながらも、いまの仕事を継続している人たちも大勢います。
④30年後、40年後に生じる可能性がある「各種問題」のことは考えないで、無視して、メインストリームに乗り仕事をしている大勢の人たちがいます。
私は「呼吸(=透湿/調湿)できない、24時間機械換気が回っているテクニカルなモダンな家には住みたくない」という自分の心の声に耳を傾けて、違うソリューションを意識的に探していたので、①や②や③の声によく出会い、④に対して危機意識をもつようになりました。
幸いに、省エネ化がまだそれほど進んでいない日本では、欧州の「失敗」から学び、「いい省エネ」に方向修正できるチャンスがたくさんある、とも思っています。
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