住まいの温熱⑤ 省エネ策によって生じた問題

2020/03/0703:50134人が見ました

全館暖房を前提にすると、エネルギー性能が悪い家は相当な暖房費がかかります。例えばドイツの築50年以上の建物では、100平米あたり年間で暖房費が2000から4000ユーロというのも稀ではありません。だから躯体の省エネ性能強化が新築でも、改修でも進みました。それによって暖房費が半分、4分の1、8分の1になるのですから、経済的なモチベーションは大きいです。
しかし過去30年の間の取り組みの多くは、「断熱」と「気密」に偏重したものであり、湿気に対する性質の異なるマテリアルが組み合わされて使われたことで、内部結露などの問題を生じさせました。その問題を解決するために防湿シートや防湿材を貼って水蒸気の躯体内での移動を遮断したことによって、部屋の中に水蒸気が溜まり、それを外に素早く排出するために機械換気が導入されました。機械換気は、ダクト内の衛生上の問題課題と維持管理費用のリスクをもたらしました。
業界の中でも、このような悪循環の状況に対する問題意識や反省の声が少しずつ増しています。そして昔の建築の良さを見直し取り入れた新たな省エネ建築や改修の事例も出てきています。

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