住宅業界のキャッシュフローコーチ、出口経尊です。
数回に分けてお伝えしている【借入後の工務店利益倍増計画】は今回で4回目となります。
ここで初めて読まれる方や復習をされる方のために、前回までの話を一覧にします。
【借入後の工務店利益倍増計画①】(返済)
https://chikalab.net/articles/589
【借入後の工務店利益倍増計画②】(繰越)
https://chikalab.net/articles/599
【借入後の工務店利益倍増計画③】(減価償却費の繰戻)
https://chikalab.net/articles/605
根拠ある利益目標の設定
さて、今回のテーマは「利益目標」です。
下図のお金のブロックパズルだと赤色の箇所です。
前回お伝えした「減価償却費の繰戻」+「税引後利益」で、「返済」+「繰越」を賄う必要があります。
逆算すれば図を見ていただいた通り、以下の計算式になります。
税引後利益=(返済+繰越)-減価償却費
そして、ここから割り算です。
税金を約30%とした場合、税引後利益は税引前利益の70%となります。
利益目標=税引後利益÷0.7
※この場合の利益とは、目標数値の算出なので営業利益とします。
これで利益目標が明確になります。
借入後の工務店利益倍増計画①~④を計算式で表すと
利益目標=(返済+繰越-減価償却費の繰戻)÷(1-0.3)
となります。
ちなみに債務超過だと、基本的には約30%の税金は発生しないため、0.7で割る必要がなく、利益はほぼ残ります。
以上で利益目標を算出できるのですが、その際、どなたにでも「ある感情」が湧いてくる場合があるかと思います。
湧き出る2種類の不安感
利益目標の数値に対する2種類の不安感が湧き上がってくるのです。これは普通に起こることですので、あえて説明させていただきます。
まず1つは、今まで出したことがない金額の大きさに高い壁を感じ、諦め、無理だと思ってしまうこと。
この時、必要なのが自己肯定感です。早々に繰越の目標金額を下げないでください。
この瞬間は経営者が殻を破る、次のステージに向かう境目だと捉えています。
実際、過去に囚われず根拠ある利益目標を設定し、赤字から大幅黒字、利益3倍など、目標以上の数字を叩き出した会社があります。
ひとまず、売上目標を算出するまでは、そのまま進みましょう。
もう1つ湧き上がってくる感情が、税金の金額にまつわるものです。これは非常にリアルな話で、「こんなに税金を支払うのか・・・」という、こちらもネガティブな感情です。
ただ、過度な節税対策をしていては結局利益を減らすことになります。
例えば、税引前利益が2000万円出るとしたら、約30%の600万円の税金が発生し、税引後利益は1400万円となります。
この前提で仮に500万円の無駄遣いのような節税対策をして、税引前利益を2000万円から1500万円に減らしたとしたら、税金は450万円になるので150万円の節税はできます。
しかし、税引後利益は1050万円となり、350万円の「現金」が減ったことになります。
出口戦略を事業承継に定めているとすれば節税対策は必要ですが、どちらにしても計画的に行った方が良いのではないでしょうか。
根拠ある利益目標が決まれば、次は粗利目標の設定で計算式は以下の通りです。
粗利目標=固定費+利益
次回は、粗利目標に伴う固定費の見直しについて触れていきます。
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