クラフトバンク総研の高木です。
「チラシ集客の反応が年々悪くなっている」
「馴染みの客も最近発注が少ない」
など、最近は建設業の後継者の方と交流することが増え、こういう会話をするようになりました。
2021年 建設業界 動向予測(https://contech.craft-bank.com/n/n7fd43de8354f)でも紹介した通り、すでに民間建築市場では大手の寡占が進んでいます。その中でどう戦えばいいのでしょうか?
中小の工務店は54%、リフォーム会社は50%が赤字
会計事務所・税理士事務所向け情報サービスのTKC社がまとめている業種別の経営指標を見てみましょう。(令和2年9月時点)
工務店(木造建築工事業)の54%、リフォーム工事業の50%が赤字(※)になっています。工務店の売上対前年比も1%、リフォーム工事業は▲9%と、増収には遠い状況です。
※赤字の定義は「純資産がマイナス」もしくは「当期損益がマイナス」
大手は材料に加え、集客コストの構造が違う
そんな中、家電量販店で最もリフォーム売上の大きいエディオン(521億円)は2020年8%、額にして39億円の増収を果たしています。リフォーム事業単独の利益率は公開されていませんが、小売等の異業種からの大手参入事例として、一つの参考になるでしょう。
エディオンのリフォーム部門の売上(2020年3月期)は521億円。
業界ポジションでいうと三井不動産のリフォーム部門よりも大きく、業界9位の規模です。
当然、建材・住設の仕入の際、メーカーに対しコスト交渉力があります。
ではさらに、集客コストに目を向けるとどうでしょうか? 以下に中小リフォーム工会社とエディオンの集客力を比較しました。
見て頂くと分かる通り、広告・販促費の総額としては大きいですが、売り上げ全体に占める比率としては中小のリフォーム工事業者の半分以下と小さくなっています。結果的に集客コストについても優位性があることが分かります。
「チラシ集客の反応が年々悪くなっている」「なじみの客も最近発注をくれなくなった」という要因の背景には、前回記事の「人口が減っている町で家は建たない」
https://note.com/cri/n/nbe9cd4b72cbc
に加え、「異業種から参入してきた大手に顧客が流れている」のではないでしょうか。
上記を踏まえた中小工務店の生き残り策等の詳細は以下のリンクをご覧ください。
https://note.com/cri/n/nb7508e890355
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