[第5回] プロモーションの鉄則

2021/05/2409:49496人が見ました

 皆様お疲れ様です。

 COMODO建築工房代表の飯田です。

 連載から早くも5回目となる今回のテーマは「プロモーション」です。これ、みなさん頭悩ませておりませんか? 正直、工務店や設計事務所を営んでいる者として、自社の建築にまったく自信がない方って、ほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。皆さんプライドを持って建築に励まれているのに、理想のお客様に巡り会えなかったり、そもそも集客出来なかったり。自信があるだけに「なぜお客様からの問い合わせが来ないのだろう?」と感じていらっしゃる方が多いかと思います。私もそんな一人。もどかしくて仕方がないですよね。

 

モノウリコトウリ

 それもそのはず。プロモーションが噛み合っておらず、適切に自社のターゲットに対して訴求出来ていないのかもしれません。当たり前のことが案外と出来ていないのがこのプロモーション、すなわち大義として宣伝を指します。(プロモーションと一言で表しても、直接的なものと間接的なものに分類され、さらには...と細分化され複雑に絡み合ってしまいますので、あえて割愛します)

 プロモーションの方向性を決定する一つの軸は、建築を売りたいのか、暮らしを売りたいのか。弊社は後者を得意としたプロモーション活動です。もの(住まい)があることによって生まれる暮らし、つまりは提案型となります。完成されたものを売るのではなく、目に見えないけれど、何か想像してワクワクする、そんなイメージです。

 

誰に住んでいただきたい?

 どうやってマッチする方向性を探すべきか。地域性や自社の顧客層によってその手法は千差万別ですから、一概に当てはめられる手法はないと思いますが、一つ一つ丁寧に分析し、強みや弱みを確認し、何よりどんなクライアントと巡り会いたいかをイメージすることがプロモーションの第一歩だと思います。こと建築においてはそれがより強く顕著に表われるように感じています。

 いかに建築をかっこよく魅せるかを競うのではなく、いかに理想の顧客像に住んでいただくか。御社の建築が素敵なのはもはや当たり前なのですから、誇張するのではなく、等身大で表現し、きちんとイメージ出来るよう伝える。これがプロモーションの要になると私は思います。

 

COMODO建築工房の事例

 ではCOMODO建築工房の例をご覧いただきましょう。

 ちなみに弊社の見学会の集客は数字として決して多くはありませんが、実に濃い、理想の顧客像の方ばかりがお越しくださるので、接客に対するストレスは皆無です。しかしながら全ての方がお客様にはなり得ません、当然ながら。しかしこの「接客に対するストレスがない」というのが肝ではないでしょうか。

 

 

 プロモーション(見学会告知)で用いるのはHPSNSInstagramFacebook)。それとDM(資料請求および過去の見学会参加者)を利用しています。

 

 

 最近はInstagramでの新規集客がほぼほぼとなっています。ちなみに有料広告で見学会につき10日間で50,000円を投与。範囲は事務所から1時間圏内程度。年齢層は2950歳。

 Facebookは現在自社ページにて紹介する程度で、有料広告は出していません。

 

 

 ビジュアル的には模型やイラストではなくきちんと竣工写真で伝えることが大事。以前は一部分を載せて好奇心を煽る手法を試みていましたが、現在は全てを写真に載せ、これが見られるのだとイメージしていただく手法に変えました。これが功を奏し、その作品の作風に見合った来場者にお越しいただけるようになりました。

 フォントは社風が表れますので、注意して選定し、大きすぎず小さすぎずバランス良く。見学会の情報はあくまで記事に載せ、ビジュアルは建築を引き立てる為シンプルに仕上げています。

 DMに関してはメールで省略できるものの、あえて紙媒体として残しています。手触りであったり、わざわざ感による温もりであったりと、血の通った人間味を表現するために残しています。こちらもまたビジュアルで魅せ、好奇心を煽り、HPへの誘導を促す仕組みです。

 

 今回の見学会での成果は新規12組でリピーターが10組の合計22組(予約枠は2日間で1時間2組限定の24枠)うち3組から設計依頼をいただきました。これはタイミングにもよりますので、毎回このような成果が出るわけではございませんが、数を追わない弊社としてはうれしい悲鳴です。

 

不特定多数ではなく「お客様」を呼び込む仕組み

 プロモーションは不特定多数の数ではなく、お客様を呼び込むための手段です。建築費用が高そうだなと思われても仕方がありません。むしろそれなりの価格帯で見せていますし、実際に安くはないのですから、入り口の時点でふるいにかける必要があるのです。それが双方にとって良質な関係を生み出すのですから、勇気を持って臨みましょう。

 これはあくまで一例であって、御社にとっての手法はおそらく変化すると思われます。まずは前回の連載にある「等身大のブランディング」で襟を正し、プロモーションを見直してみてください。

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