【第6回】魅せる現場づくりで顧客・近隣への配慮

2021/06/0115:17358人が見ました

 現場をきれいにする活動は、多くの住宅会社が取り組んできました。しかし「魅せる現場」にまで高めているでしょうか? そもそも「魅せる現場」とはどういうことでしょう? 言葉のイメージから、ただきれいにするだけではないと感じていただけるのではないでしょうか?

 住宅産業塾では、「魅せる現場づくり」を推奨してきました。魅せる現場とは、現場をきれいにすることだけではなく、現場での対応を良くし、現場の様子に感動してもらい、近隣の方からも評判が良くコミュニケーションが出来ること、そして現場の安全体制が整っていることを総合的に指しています。このような現場づくりをしていくと、「こんなきれいな現場は他にないよ」「職人さんのマナーもとても良い」といったことを近隣の方からお褒めいただくことが出てきます。

では、何故このような現場をつくるのでしょうか? 

 

 「プロとしての施工だから」「顧客満足のため」「きれいな方が気持ちいいから」といった意見があります。間違いではないですが、この活動がどうつながっていくのかをもっと考えてみてください。日本は超少子高齢化が進み、住宅を建てる絶対数が減っていきます。いろいろなところで新設住宅着工数予測が出ていますが、大きな傾向として増えると予測しているところはありません。住宅着工数が減るということは、住宅会社の間で受注競争が激しくなってきます。当然勝ち負けが出てきて、倒産や廃業に追い込まれる会社も増えていくでしょう。

 昨年は、コロナ禍による受注激減から一気に回復したところも多いようですが、最近では仕事が少なくなってきたとか、ウッドショックによる先行き不透明感などもあり、市場としては厳しい状況になってきた様子もあります。

 ウッドショック自体はどうこう出来るコトではありませんが、着実に着工数が減っていくであろうこのような状況において、常に新規のお客様を探す手法というのはしんどいものです。そうではなく、引き渡したお客様に満足していただき、その方が次のお客様を呼び込む、評判を高めてもらい紹介を増やす、そして近隣の方々にも信頼され次の仕事をいただけるようになるというところに、もっと力を入れてみてはどうでしょう。そのひとつの方法が「魅せる現場づくり」になるのです。

 

 監督がおこなうのは、良品質住宅はもちろん、現場きれい安全対策をおこなうこと、職人さんのマナーに気を付けること、現場の前面道路を汚さないなどの近隣配慮もおこなうこと、そして特に重要なのが“現場でのお客様対応をしっかりおこなうこと”です。お客様対応とはどういうことか? まずは現場でのお客様立ち合いの機会を増やしましょう。そしてその時点での不安やクレームの種を取り除いておきます。お客様にとっては、その都度確認することで安心感と信頼感が生まれてくるのです。よく聞くのが、お客様立ち合いを監督の裁量でおこなっているというケースです。これでは人によるバラツキが出てしまいます。いつ、何を確認するためのお客様立ち合いなのかを決め、標準化することが必要です。

 

 

 お客様立ち合いをするということは、その時の現場はきれいで安全でなくてはなりません。ここをしっかりおこなっていると、お客様の安心感も大きくなります。お客様が思ってた以上のことをおこなっていたら、感動にもつながることでしょう。そして、この立ち合い説明のタイミングで、お客様に紹介をいただいてみましょう。家が完成に近づくにつれ、お客様の気持ちは高ぶってきます。こういう時を利用して紹介のお誘いをすると、意外と紹介につながるそうです。ただし、その絶対条件は「魅せる現場づくり」が出来ているかどうかです。

 

「お客様の満足度は高い」と思っているが、「紹介」は少ないという会社がありませんか?それは家そのものへの満足が高いだけで、「信頼」にまで到達していないことが原因だと思われます。紹介を頂けるのは、家の満足ではありません。その会社、社員、職人への信頼が必要です。「家の性能・デザインなどには満足しているが、紹介はしない」と思っておられるのは何故か? それは信頼をしていないからです。紹介をするのは、“自分が家づくりをしたのと同じような対応をしてくれるだろう”という信頼があることが条件です。完成したものに満足していても、そのプロセスで不満・不安があったときに、信頼は生まれません。「紹介した方が、同じように不満・不安を感じる事になったら申し訳ない」と、紹介することで後悔するのが嫌だからです。この信頼を獲得するためには、現場での対応がとても重要になってくるのです。不満や不安を早期に見つけ対応し満足していくこと、これが一番大切なことになります。つまり、現場監督の役割がとても重要なのです。

 

 監督の仕事が多くなると思うのであれば、何度も書いていますが「業務の標準化」を確立してください。そしてDX化を進めて生産性をアップしたうえで、お客様対応の時間を作るようにしてみてください。

 

 

 なお、魅せる現場づくりの意味や進め方について、6/15(火)13:0017:00にオンランセミナーをおこないますので、そちらも参考にしてみてください。詳しくは、住宅産業塾HPをご覧ください。

 

次回は、「完成図書による事前発注と引継ぎ」についてお伝えします。

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