2021年の振り返りと2022年の展望と対策~後編~

2021/12/1522:30718人が見ました

いい家づくり応援ネットの半澤です。

 

私が主宰している会員制オンラインコミュニティ『成功事例共有会』の定例会や営業支援先の工務店さまとの間では、11月中に「2021年の振り返りと2022年の展望と対策」について既に話を済ませています。

 

先日はその一部をご紹介しました。 ※前編はこちら(https://chikalab.net/articles/1194)

 

今回はその続きで3つの重要なトピックスをご紹介いたします。

市場の変化

2021年はコロナによる社会への影響や消費者心理の変化の方向性がある程度見えてきました。そのうちの一つが「二極化」の加速です。

 

以前から言われていたことですが、高単価/ローコスト、こだわる/簡単、モノ(建物)/コト(ライフスタイル)、といった二極化が加速して固定化されてきています。

 

 

また消費者心理に大きく影響する雇用やお金に関しても同様です。一億総中流と言われていたのはもう過去のこと。2017年に『一億総貧困時代』という書籍が発売されましたが、コロナ後の海外と日本の経済動向の比較報道や社会情勢、実質賃金の低迷やリストラなどを見ていると、人口減少フェーズに突入した日本の総貧困化が現実になってきていることを痛感せざるを得ません。

 

住宅に目を向けると、都市部のマンション価格が高騰し続けている一方でローコストや建売が棟数を伸ばし続けています。この流れはさらに加速していくはずです。同時に住宅ローンが組めない属性の人も増えていくと考えられます。

 

その一方で「おうち時間」や在宅リモートワークの増加で、住宅に対するニーズはより明確により強くなってきています。

 

このような背景のなかでこれからの消費者はどのような行動をとるのでしょうか?それを図式化したのがこちらです。

 

 

単価を上げてデザインや性能や健康などをアピールしてきた高性能高付加価値住宅のゾーンにいた消費者は、安定志向から大手ハウスメーカーに流れるか、またはコロナにより生まれた新しい住宅ニーズに対応した企画コンセプト住宅のどちらかに流れていくと考えられています。

 

つまり新しい生活様式に合ったコストパフォーマンスが高い住宅が欲しい!という層が増えてくると考えられます。

 

※企画コンセプト住宅の事例を2つ、挙げておきます。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000074287.html

https://lifequartet.jp/outas/

 

ちなみに一見すると最大のボリュームゾーンである右上の建売・ローコスト住宅市場は最大のボリュームゾーンで魅力的ですが、その先に待つのは熾烈な価格競争です。大手ビルダーに対抗する価格で利益を出し続けられる工務店の数は少ないと感じています。

 

営業部門のリニューアル

 

私の支援先工務店からの要望にも変化がありました。2021年の春過ぎから期間やゴールは異なるものの「一から営業組織を見直したい」という相談が目立ってきました。

 

 

その要因を一言で言うと「利益確保が難しいので、建物の高単価戦略を実行したい。しかし営業スタッフの能力がついていかない」ということです。

 

具体的な事例を挙げると、「高性能高付加価値住宅にすると坪80万円台になる。すると競合となる■条工務店などの高性能住宅が坪60万円台~なので競合負けしてしまう」ということです。

 

今までは自分たちが競合よりも価格が安い住宅を販売していたのに、これからは競合よりも高い住宅を売らないといけない。つまり今までのやり方では受注できないわけです。

 

ではどうすればよいのか?

 

取り組むことを3つ挙げるなら「営業マインドをアップデートする」「価格ではなく価値を伝えられるようになる」「高収入・高資産のお客様に選ばれるようになる」です。

 

ここでは「高収入・高資産のお客様に選ばれるようになる」ためのポイントの一部をご紹介します。

思考のポイント3選

・価格ではなく、価値で判断する

・数字、データ、FACT(事実)、証拠を重視する


・価値を認めたものにはお金を払うが、無駄遣いはしない

ニーズのポイント3選

・納得して決断を下したい

・プロとしての報告・連絡・提案をタイミングよくして欲しい

自分のステータスに合ったモノ(住宅)を所有したい

やってはいけないポイント3選

・結論が良く分からない(説明や言い訳が長い)


・礼儀、言葉遣い、マナー、服装、持ち物のレベルが低い


・一貫性がない

その他

・パートナー(奥様)の人を見る目が厳しい


・営業や会社に対する期待や要求基準が高い


・自分が人として認めた住宅のプロから購入したい

 

などが挙げられます。

そして高単価の住宅を購入できる高収入・高資産のお客様はこだわりが強く勉強熱心なので、部分的には住宅のプロよりも知識が豊富だったりします。その話題に対応できないときにごまかしたり話を逸らすと、不満も言わずあなたの前から無言で去っていきます。

もし分からないことがあれば自分の営業ステージを上げるチャンスだと考えて、前向きに勉強してください。そして学んで成長できたことを感謝と共にお客様にお返ししていきましょう。

 

本格的な中古住宅元年

実は今、中古住宅を取り扱うとあるプロジェクトに参画する具体的な話が持ち上がっています。既に毎月30~40件もの中古住宅購入に関する反響を安定的に獲得していて、そこからリノベーション工事の受注はもちろん、新築住宅を購入するお客様も出てきています。

この背景には、ウッドショックや住宅設備機器の高騰により引き渡しの長期化リスクを嫌う流れがあります。また大きな住宅ローンを抱えたくない人、離婚などでシングルになった人からの相談もあります。

他にもリストラや住宅ローンの支払いが苦しい人が住宅の売却を考え、質の良い物件の流通量が増えていることも要因の一つと考えられます。

これから伸びていく中古住宅市場で、安定した反響を獲得して粗利を確保するビジネスモデルを構築できるか否かが2022年以降の業績を左右していくのではないかと感じています。

最後に…

今回ご紹介した内容は私が主宰する「成功事例共有会」の11月度定例会(https://ieouen.net/1705)でお伝えした内容の一部となります。一部とはいえ重要なポイント解説といくつかの事例はご紹介できたと思います。

ぜひお伝えした情報をもとに、年末年始を待つことなくできるだけ早く、来年の戦略の立案と戦術の実行をおこなってください。そして成果を手に入れてください。

2021年の記事はこれで最後になります。来年からも全国の工務店支援や営業代行の現場で私が体験したり見聞きした成功事例や住宅営業に役立つ情報をお伝えしていきます。引き続きよろしくお願いいたします。

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