第7回 未来を食いつぶす経営と未来をつくる経営
よく耳にする木こりのたとえ話で、刃を研がない木こりは労力と時間をかけて力任せに斧を振り続けてもなかなか木を倒すことはできないが、少しの時間をとって、刃を研ぐ習慣を持った木こりは斧を振り始めるとあっという間に木を倒すことができるという話があります。建築の世界に置き換えて造作をするのに切れる鑿を持つ大工と、刃がついてないような鑿しか持っていない道具の手入れをしない大工との違いで考えてみても分かりやすいかもしれません。鑿を研ぐ習慣を持つ大工は仕事が早いだけではなく、美しい仕上がりを生み出します。そこに信頼が生まれ、特命で工事の依頼を受けるようになります。それを繰り返して高い評価を得て、お願いされるくらいまで信頼を勝ち取れば、時間もお金も余裕を持って、大工が納得ができるさらに質の高い仕事ができるようになります。あくまでも例え話ではありますが、毎朝の刃物研ぎの習慣を持つだけで、大工としてだけではなく人としての生き方が根本から変わる可能性を秘めています。
実践型マーケティングマネジメント